西の前遺跡(読み)にしのまえいせき

日本歴史地名大系 「西の前遺跡」の解説

西の前遺跡
にしのまえいせき

[現在地名]舟形町舟形 西の前

小国おぐに川左岸の河岸段丘上に位置する縄文時代の遺跡。出土した土偶は、これまで発見されたもののなかで最大の高さをもち、様式的にも優れていることから平成一〇年(一九九八)に国の重要文化財に指定された。この土偶は高さ四五センチ、肩幅一六・八センチ、腹部の厚さ八・四センチ。安定感があり、頭部は扁平で扇形、顔面は省略されており、なにも表現されていない。肩より下がる乳房はW型を描き、腹部で後方に屈曲して尻の部分が大きく外側に張出している。脚部は下部に向かって膨らむ角柱状を呈し、また沈線によって横位に何本か縞模様状に線が走っており、いわば裾が広がるパンタロン状である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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