西何方(読み)にしどち

精選版 日本国語大辞典 「西何方」の意味・読み・例文・類語

にし‐どち【西何方】

  1. 〘 名詞 〙 セミ幼虫、根切り虫の蛹(さなぎ)、蚕の蛹などをいう。また、蓑虫毛虫の蛹などにもいい、古くはセミの幼虫をさすことが多い。また、それを指でつまんで「西はどっち、東はどっち」といい、蛹が体を左右に動かすのを答えとする子どもの遊び。にしはどち。入道虫。西向(にしむけ)。にしどっち。にしゃどち。にしゃどっち。→復蜟(ふくいく)
    1. [初出の実例]「ましてや都に住馴て、名所の桜も紅葉も、春秋に楽み、衣好に日の暮るは、西(ニシ)どちといふ虫にはおとれり」(出典:俳諧・俳諧女哥仙(1684)序)

にし‐どっち【西何方】

  1. 〘 名詞 〙にしどち(西何方)
    1. [初出の実例]「出るこじき・つづれを着たる箕虫(ニシドッチ)」(出典:雑俳・蓬莱山(1709))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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