軟体動物門腹足綱に属する巻き貝のうち、主としてアクキガイ科の種を中心につけられた俗称。このうち、イボニシ(疣辛螺)などは食べてみるといくぶん辛味があるので、カラニシ(辛螺。転じてこの漢字がニシにあてられる)などとよばれる。巻き貝に関する和名にはニシのほかにも、ボラ(法螺。主として大形紡錘形の堅牢(けんろう)な巻き貝に多くつけられている)、ニナ(蜷。小形の細長い巻き貝に多い)などの語尾がつくものがあるが、それらの使い方は分類によるものではなく、したがってつけ方に確固とした法則があるわけではない。たとえばニシの語も、アクキガイ科以外の種の語尾につくことも多く、たとえばタニシ(タニシ科)、オキニシ(オキニシ科)、キキョウニシ(カブラガイ科)、ナガニシ(イトマキボラ科)、テングニシ(コブシボラ科)などをあげることができる。
[奥谷喬司]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…タニシ科Viviparidaeの淡水産巻貝の総称。殻は長卵形から卵円形で螺塔(らとう)は高まり,螺層は多少膨らむ。…
※「にし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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