蓑虫(読み)ミノムシ

デジタル大辞泉 「蓑虫」の意味・読み・例文・類語

みの‐むし【×蓑虫】

ミノガ科のガの幼虫。口から糸を出して小枝や葉の小片をつづり合わせ、筒状の巣を作ってすむ。雄は羽化して巣から出るが、雌は一生をこの中で送る。同様の蓑状の巣を作るヒロズコガなどの幼虫を含めていうこともある。鬼の子。 秋》「―の音を聞きに来よ草のいほ芭蕉
[補説]書名別項。→みのむし

みのむし[書名]

三浦哲郎短編小説。「新潮」誌、平成6年(1994)1月号に発表。平成7年(1995)、第22回川端康成文学賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「蓑虫」の意味・読み・例文・類語

みの‐むし【蓑虫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 昆虫ミノガ類の幼虫。体から分泌した糸で、枯れ葉樹皮の細片をつづり、袋状の巣をつくってすむ。チャウメ・ナシなど各種の葉を食べ、冬は枝にぶらさがったままで越冬する。春先に雄は成虫のガとなって脱出するが雌は巣の中で一生を送る。「父よ父よ」と鳴くとの言い伝えがあるのは、カネタタキの鳴き声と混同したものと思われる。鬼の捨子。木こり虫。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「はるさめのふるにつけつつみのむしのつけるえだをばたれかをりつる」(出典:兼輔集(933頃))
  3. 人を卑しめののしっていう語。
    1. [初出の実例]「からからと打笑ひ、ヤア蓑虫(ミノむし)めらがほざいたり」(出典浄瑠璃南蛮鉄後藤目貫(1735)一)

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「蓑虫」の解説

蓑虫
みのむし

歌舞伎・浄瑠璃の外題
初演
明治33.1(大阪・弁天座)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蓑虫」の解説

蓑虫 (ミノムシ)

動物。ミノガ科のガの幼虫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蓑虫」の意味・わかりやすい解説

蓑虫
みのむし

「ミノガ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の蓑虫の言及

【季語】より

…かつて女の夜業であった),桐一葉(きりひとは)(秋の訪れを告げる桐の落葉),草市(くさいち)(盆用品を売る市),暮の秋(秋の終りのころ),木の実,鹿の声(交尾期の鹿の高く長い声),今朝(けさ)の秋(立秋の朝のさわやかな感じ),冷(すさ)まじ(寒いとまではいえない冷気の感じ),秋声(秋の物音),相撲(もとは豊凶を占う神事であった),施餓鬼(せがき)(無縁仏をとむらうこと),露,二百十日(台風襲来の厄日),後(のち)の月(陰暦9月13日の月。十三夜ともいう),野分(のわき)(秋の暴風),八朔(はつさく)(陰暦8月1日),初潮(はつしお)(陰暦8月15日の大潮),蛇穴に入る(秋の彼岸ごろに蛇は冬眠するという),花野(はなの)(秋草の咲き乱れた野),盆(正月と並ぶ一年の節目),踊(盆踊のこと),身に入(し)む(秋の冷気を心身で感じる),蓑虫(みのむし)鳴く(秋風が吹くと父を慕って泣くという),迎火,送火,灯籠,虫の声,名月(十五夜の月),紅葉,夜寒(よさむ)(晩秋の夜分に覚える寒さ),夜長(よなが)(秋の夜の長さ),渡り鳥,七夕(たなばた),夜なべ(秋の夜業),茸(きのこ),新酒(新米で醸造した酒),竜田姫(秋の女神),残暑(立秋後も残る暑さ),新涼(秋の涼しさ),星月夜(ほしづきよ)(星の光の明るい夜)。
[冬]
 小春(こはる)(陰暦10月の異称),師走,寒の入り(冬至の後15日目。…

【ミノガ(蓑蛾)】より

…鱗翅目ミノガ科Psychidaeの昆虫の総称。幼虫は,独特のみのをつくりそのなかにすんで頭部や胸部を出して植物の葉を食べるミノムシである。成虫はガとなるが,雌雄ともに翅をもつもっとも原始的なタイプは少なく,大部分は雌は翅が退化し飛ぶことができない。無翅の雌のなかには3対の脚のあるものと,脚の退化したものがある。雄は昼間活発に飛び回り,雌の放出する性誘引物質によって,雌に到達し,交尾する。翅の退化した雌のなかには,みのの外に出て雄を待つタイプと,一生みのから出ないで,雄の飛来を待つものとがある。…

※「蓑虫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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