朝日日本歴史人物事典 「西川伊三郎」の解説
西川伊三郎(3代)
生年:文化8(1811)
幕末の江戸の人形遣いの名手。本名不詳。大坂生まれ。2代目吉田冠蔵に入門して東九郎を名乗ったが,江戸に下り2代目西川伊三郎の養子分となって3代目を襲名,その後,西川家にゆかりある吉田冠二の3代目(一説に2代目)を継ぎ,さらに受領して陸奥大掾となった。若いころは女形で評判を得たが後に立役に転じ,結城,薩摩の両座に出演して名手の誉れが高かった。しかし資料に乏しく,改名の年月なども確定出来ず不明な点が少なくない。少年期の初代桐竹紋十郎を育てたことでも知られる。「寺子屋」のいろは送りの型を工夫したと伝える。<参考文献>『義太夫年表/近世篇』『増補浄瑠璃大系図』
(山田庄一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報