西海地村(読み)さいかちむら

日本歴史地名大系 「西海地村」の解説

西海地村
さいかちむら

[現在地名]平塚市岡崎おかざき・ふじみ一―二丁目

村の南をすず川が流れ、東は大句おおく(現伊勢原市)、西は大畑おおはたけ村、南は飯島いいじま村、北は馬渡まわたり(現伊勢原市)に接する。伊勢原台地の南西側縁辺と字山王台さんのうだいから南斜面に集落が散在する。村の東北部は前田土腐まえだどぶあるいは他村から西海地土腐といわれる深田で、小雨の時も水をたたえて海池のようになるといわれ(風土記稿)、近隣村の入会の水田として飛地が錯雑する。また、この深田を要害に利用して現伊勢原市・平塚市にまたがり岡崎城が築城されたという(風土記稿)正保国絵図に「西海寺」とある。

観応三年(一三五二)六月二一日の将軍足利尊氏御教書(県史三)にみえる「相模国真広名」は、村内南の飯島村境の字真広さねひろとされる(風土記稿)。同御教書によれば真広名は貞和四年(一三四八)七月九日足利義詮により鎌倉覚園かくおん寺領として寄進されている。また至徳三年(一三八六)六月一五日の官宣旨(県史三)によれば、他の覚園寺領とともに諸公事課役、国司入部などが停止されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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