西生寺(読み)さいしようじ

日本歴史地名大系 「西生寺」の解説

西生寺
さいしようじ

[現在地名]寺泊町野積 大野積

弥彦やひこ山の西南麓にある。真言宗智山派、海雲山滝泉院と号し、本尊阿弥陀如来。行基を開基とする。客殿本尊は愛染明王、脇立は薬師如来、右に大日如来を配する。しばしばの火災で由緒を失う。「白川風土記」には久安(一一四五―五一)の頃までは寺の南門という所から諏訪平まで戸数三〇〇軒ほどがあり、家ごとに酒を醸していたという。これを野積酒といい、新醸を出すときには南門の口明石くちあけいしに酒を供する習わしであった。弥彦神社の神職も口明石の辺りで神事を行うとある。本堂左に弘智法印の即身仏を祀る弘智こうち堂がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の西生寺の言及

【即身仏】より

…入定信仰をいっそう確実に認識しようとして,空海の入定後も肉体は生けるがごとく,廟中に現存して,鬢髪や爪も伸びていたと語られ,これを入定留身(るしん)という。空海にならった入定は弟子たちによってもおこなわれたが,肉体がミイラ化して遺存したことが知られるのは,新潟県寺泊町野積西生(さいしよう)寺の弘智法印がもっとも古い。弘智法印は高野山で修行の後,西生寺の東,岩坂に庵住し,1363年(正平18∥貞治2)10月2日に入寂したが,そのミイラが現存し,今も弘智大師灯籠神事がおこなわれる。…

※「西生寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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