西田龍雄(読み)にしだたつお

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西田龍雄」の意味・わかりやすい解説

西田龍雄
にしだたつお

[生]1928.11.26. 大阪
[没]2012.9.26. 京都,宇治
言語学者。西夏文字解読した。1951年京都大学文学部言語学科を卒業。1956年同大学大学院修了後,中国西北部に覇を唱えた西夏(1032~1227)で使われていた西夏文字の研究に没頭。『西夏語の研究 西夏語の再構成と西夏文字の解読』(上巻 1964,下巻 1966)をはじめ『西夏文字 その解読のプロセス』(1967),『西夏文華厳経』(全3巻,1975~77)などを著した。この間,京都大学文学部助教授を経て 1972年教授に就任した。西夏文字の研究はフランスロシア,中国などで行なわれてきたが,解読されたのは 6133字あるうちの 1割程度であった。その解読を 5000字近くまで進め,西夏語の研究を決定的に前進させた。このほかロロ語モソ語などチベット=ビルマ語族に属する諸語の研究でも業績を上げた。1968年日本学士院賞恩賜賞を受け,1999年日本学士院会員,2008年文化功労者に選ばれた。

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百科事典マイペディア 「西田龍雄」の意味・わかりやすい解説

西田龍雄【にしだたつお】

言語学者。大阪市生まれ。チベット・ビルマ諸語の比較研究,特に西夏文字の解読が国際的にも高く評価された。1951年京都大学文学部言語学科卒業。1958年京都大学文学部助教授。1972年京都大学文学部教授。1992年同大学名誉教授。欧米や中国の研究者が解読を試みながら約6300文字のうち1割しか解読できなかった西夏文字を,西夏人らが用いた発音辞典《同音》の複写本の研究から,発音・文法構造を明らかにして約5000文字の解読に成功した。主著《西夏語の研究》(1968年,座右宝刊行会)。文化功労者(2008年)。

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