見返り美人図(読み)ミカエリビジンズ

デジタル大辞泉 「見返り美人図」の意味・読み・例文・類語

みかえりびじんず〔みかへりビジンヅ〕【見返り美人図】

江戸前期の浮世絵師菱川師宣による肉筆浮世絵。絹本着色。赤い着物の女性が歩みの途中で振り返る一瞬を描いた作品。東京国立博物館蔵。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「見返り美人図」の解説

見返り美人図
みかえりびじんず

菱川師宣(もろのぶ)筆の肉筆浮世絵。元禄期の作。無背景の画面に美人を単独に描いた掛軸で,流行髪形衣装がよくみえるように後ろを振り向いたポーズで描かれている。帯は吉弥(きちや)結び,衣装は元禄模様で,「菱川やうの吾妻俤(あずまおもかげ)」といわれた師宣の代表作。絹本着色。縦63.2cm,横31.0cm。東京国立博物館蔵。重文

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世界大百科事典(旧版)内の見返り美人図の言及

【菱川師宣】より

…また師房(長男),師重,師平ら多くの門弟を育てて一派をなし,肉筆画の工房制作によって歌舞伎,遊里,上野や隅田川の風俗などを主題として,屛風画,掛幅,画巻の諸形式に類型的な作品を大量生産した。その中で《歌舞伎(中村座内外)図屛風》《見返り美人図》(いずれも東京国立博物館)などは師宣自身による作品と推定されている。版画,肉筆画の両分野にみずから開発した風俗画様式の普及を徹底させた師宣は,以後発展する浮世絵派の実質的な開祖,元祖と呼ぶにふさわしく,多大の影響を後世に及ぼした。…

※「見返り美人図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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