見隠(読み)みかくし

精選版 日本国語大辞典 「見隠」の意味・読み・例文・類語

み‐かくし【見隠】

〘名〙
① 見ながら見ないふりをすること。また、知っていながら隠すこと。
※船橋宣賢式目抄‐寛元三年(1245)「如此悪党不見隠聞隠之旨、雖起請文於御家人等
② 窓などの前をおおって家の内部が見えないようにしたもの。目隠
※交隣須知(18C中か)二「材 キヲ モトメテ マヱニ ミカクシヲ セイ
葬式または仮葬死者葬儀に列する近親者の額につける三角紙冠をいう地方もある。

み‐かく・す【見隠】

〘他サ四〙
① 見ていながら見ないふりをする。また、見て知りながら隠す。知っていることを隠す。
万葉(8C後)一四・三三六二・或本歌「武蔵嶺の小峯見可久思(みカクシ)忘れゆく君が名懸けて吾をねし泣くる」
② 見えないように隠す。
※俳諧・其袋(1690)夏「道づれの女見かくす麦野かな〈素親〉」

みえ‐がくれ【見隠】

〘名〙 (「みえかくれ」とも)
① 見えたり隠れたりすること。
古今(905‐914)雑体・一〇一八「秋霧のはれてくもればをみなへし花のすがたぞみえかくれする〈よみ人しらず〉」
建築部材の隠れて見えない所。
※紙上蜃気(1758)「見隠」

み‐がくれ【見隠】

〘名〙 姿が見えたり隠れたりすること。みえがくれ。
古事談(1212‐15頃)三「さまをやつして、みかくれみかくれに行之間、北山の奥をはるはると分入て」

み‐がく・る【見隠】

〘自ラ下二〙 見えたり隠れたりする。見え隠れする。
和泉式部集(11C中)上「やまかげにみかくれおふる山くさのやまずよ人を思ふこころは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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