精選版 日本国語大辞典 「目隠」の意味・読み・例文・類語
め‐かくし【目隠】
- 〘 名詞 〙
- ① ( ━する ) 布などで目をおおって見えないようにすること。また、そのおおうもの。
- ② 比喩的に、先入観など、正しく物事を判断することをさまたげるもの。
- [初出の実例]「誰が一体その目隠しを取り除けてやり、彼等の催眠術を覚してやらなければならないのだ?」(出典:一九二八・三・一五(1928)〈小林多喜二〉八)
- ③ 子どもの遊びの一つ。一人が布などで目をかくして鬼になり、手を打ち鳴らす音によって、手さぐりで捕えて、捕えられた者が代わって鬼になるという遊び。地方により、めなしちご、めんないちどり、めなしどち、めどち、めなしおになどという。目隠し遊び。目隠し鬼。盲おにご。
- [初出の実例]「すまふ、目かくし、ちからもち」(出典:酒食論(室町))
- ④ ( ━する ) 家の内部が外から見えないようにおおいかくすこと。また、そのおおい。高い窓などから、隣家などをのぞけないようにするおおいもいう。はたいた。みかくし。
- [初出の実例]「杉垣もまだ能くは延びず且所々枯れ隙きたるを目(メ)かくしは作らで」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし)
- ⑤ ( 「めがくし」とも ) 相撲の手の一種。相手の顔を平手で打って目をくらませるもの。
- [初出の実例]「はしはしとうつと思ふたれば、目がくるくるとまふた。〈略〉今のは、某が国本にはやる目がくしと申手じゃと仰られ」(出典:虎明本狂言・文相撲(室町末‐近世初))
- ⑥ 「めかくしぶき(目隠葺)」の略。
- [初出の実例]「ひじりの屋をばめかくしに葺け。〈略〉天の下にもりて聞こゆることもあり」(出典:今物語(1239頃))
目隠の補助注記
③については、「台記」の久安六年(1150)四月一〇日条に「渡二御宮御方一、〈略〉有二掩レ目執レ人之遊一」とあって、古くから行なわれていたものであることがわかる。