上下顎の第3大臼歯third molars(智歯wisdom teethともいう)の俗称。上下の歯列の最後部で第2大臼歯の奥に位置し,上下左右計4本ある。最も遅く形成されて生えてくる歯で20~30歳ころまでに現れるが,しばしばきわめて遅くなってから生えてくることがある。しかし,なかにはまったくこれを欠如している人,あるいは埋もれたまま生えてこない人も少なくない。歯胚(歯のもとになるもの)がまったくない人が日本人では約半数といわれる。埋もれていて生えてこないのは歯の位置異常にもよるが,とくに下顎では骨の発育がこの歯の生え出るのに十分でないことにもよる。これは一種の退化現象とみなされている。
→歯
歯冠周囲炎ともいう。第3大臼歯の周囲の歯肉に生じた炎症。下顎の場合が多い。この歯は厚い粘膜でおおわれているので,生える途中で歯と歯肉の間に深いポケットができて食物片が入り,細菌が繁殖する。かんで傷ができたりしても炎症が生じる。歯肉が発赤し,はれて痛みがで,ひどくなると発熱や開口障害が起こることもある。
執筆者:藍 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…小臼歯と大臼歯を合わせて俗に奥歯という。大臼歯のうち最前部の第1大臼歯は6歳ごろはえるので6歳臼歯,次の第2大臼歯は12歳ごろはえるので12歳臼歯,そして最後部の第3大臼歯は20歳ごろ,すなわち成人になってはえることが多いので,智歯または親知らずとも呼ばれる。
[歯の形と構造]
歯の外形は歯種によって違いがあるものの,全体では共通した構造をもっている。…
※「親知らず」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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