デジタル大辞泉
「触書」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ふれ‐がき【触書】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① ふれ知らせる文書。特に江戸時代、幕府や藩主などから一般の人々に公布した文書。特定の役人、または関係官庁などにのみ通達された御達(おたっし)に対する語。おふれがき。ふれ。
- [初出の実例]「川筋河岸端等之儀に付触書」(出典:徳川禁令考‐前集・第五・巻四七・明暦元年(1655)一一月)
- ② 江戸時代、法令、法度のこと。庶民に触れられた法令(狭義の触書)をはじめ、御達、書付など、すべての法令を包含する広義の法令。
- [初出の実例]「当御代またその事を興し、書集むる御触書は〈略〉五十年のあひたの諸御触事六千六百七通」(出典:御触書天保集成‐御触書取調の趣(1841))
- ③ 江戸時代、紛失物・贓品(ぞうひん)などを捜索するため、その特徴を記して質屋・古着屋など八品商に触れた書付。品触。町触。
- [初出の実例]「紛失物吟味之節〈略〉触書を以組合之内相廻り、帳面吟味可仕候」(出典:御触書寛保集成‐三六・享保八年(1723)四月)
- ④ 歌舞伎の浄瑠璃触れで、名題や出演者の名を記したもの。
- [初出の実例]「両人して舞台を探し、上るりの触書を取上て」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)四立)
- [ 2 ] =おふれがきしゅうせい(御触書集成)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の触書の言及
【江戸時代】より
… 他方では,引きつづく城普請への武士・農民の動員は,島原の乱を経て[寛永の飢饉]を必然化しており,幕府は農村の安定を中心とした政策を強化した。慶安御触書はその表れである。大名に対しても,それまでの威圧的な方針を緩め,末期(まつご)養子の禁の緩和,殉死の禁および証人制の廃止などを行った。…
【廻状(回状)】より
…近世では,領主や代官が支配下の村々に命令を伝える場合や,村々の日常的な連絡あるいは一揆への参加を呼びかける文書(一揆廻状)に,廻状が使用されたが,ふつう近世で廻状と言えば,前者を指す。多くの場合,一般的法規制にかかわる文書が触書と呼ばれたのに対し,廻状は年貢,夫役の徴収命令や臨時の通達などを主としたが,触書もふつうは廻状形式をとって伝達されるのであり,古文書学上の区別は難しい。廻状を回す村は,十数ヵ村が一組となっており,各村では廻状を受け取ると,名主がその内容を〈御用留〉〈御廻状写帳〉などに写し取り,廻状に時刻を書き込んで次の村に回した。…
※「触書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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