誘く(読み)ソビク

デジタル大辞泉 「誘く」の意味・読み・例文・類語

そび・く【誘く】

[動カ五(四)]
さそいをかける。だましてさそう。
「重々しく―・きかけると、酒井は事も無げな口吻くちぶり」〈鏡花婦系図
無理やりに引っぱっていく。しょびく
「山主公のお館へ、―・いて行くがおいらが役目」〈伎・名歌徳〉

おび・く【誘く】

[動カ四]だましてさそう。また、引き寄せる。現代語では「おびきだす」「おびきよせる」など、複合して用いる。
てきを―・くは日文ひぶみの迎ひ」〈人・辰巳園・四・序〉
[補説]歴史的仮名遣いは「をびく」とも。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誘く」の意味・読み・例文・類語

そび・く【誘】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
  2. かたわらから引く。さそいをかける。だましてさそう。誘惑する。おびく。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「切身を見せてそびけ共、うかつに乗ぬかけ引気くばり」(出典:浄瑠璃・新うすゆき物語(1741)下)
  3. 無理やりに引っぱり出す。強いて連れてくる。しょびく。しょっぴく。
    1. [初出の実例]「ショニンノ サイシドモヲ サガシイダシテ ヒキ sobiqu(ソビク)」(出典日葡辞書(1603‐04))

おび・く【誘】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ( 「招(を)き引く」または「帯引く」の変化した語か、「おびく」か「をびく」か、かなづかい未詳 ) だましてさそう。あざむいて引き寄せる。
    1. [初出の実例]「射手を河中の洲崎へ出し、遠矢を射させてぞ帯(オビ)きける」(出典:太平記(14C後)一四)

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