春色辰巳園(読み)シュンショクタツミノソノ

関連語 神保

精選版 日本国語大辞典 「春色辰巳園」の意味・読み・例文・類語

しゅんしょくたつみのその【春色辰巳園】

  1. 人情本。四編一二冊。為永春水作。歌川国直画。天保四~六年(一八三三‐三五)刊。「春色梅児誉美」の後続作品。「いき」「はり」を具体化する登場人物行為の中で、春水独特の人情描写を行なう。「春色梅児誉美」と並ぶ、人情本の傑作一つ

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改訂新版 世界大百科事典 「春色辰巳園」の意味・わかりやすい解説

春色辰巳園 (しゅんしょくたつみのその)

人情本。為永春水作,歌川国直画。初編1833年(天保4),2編34年,3・4編35年刊。全4編12冊。丹次郎をめぐる米八・仇吉の恋の達引きをテーマとした《春色梅児誉美(しゆんしよくうめごよみ)》の続編である。深川の料理屋で落ち合った米八と仇吉は情人丹次郎のことで争うが,ある日仇吉と丹次郎とが忍び逢っているのを米八に目撃され,2人は大喧嘩となる。そののち仇吉は病気になり,高利貸に苦しめられるが,恋敵の米八が救ってやったことから姉妹のように睦まじくなり,正妻のお長と米八,仇吉の3人は,丹次郎を大切に仲よく暮らす。仇吉は懐妊したのを恥じて姿を隠すが,そのうちお長にも子どもが生まれ,仇吉も丹次郎にめぐりあい,睦まじく暮らすというもので,米八・仇吉の喧嘩のうちに,深川芸者意地と俠気が磨かれる。春水のいわゆる〈人情〉の描写が最も精彩を放つところである。《春色梅児誉美》とともに春水の代表作である。
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