読散らす(読み)ヨミチラス

デジタル大辞泉 「読散らす」の意味・読み・例文・類語

よみ‐ちら・す【読(み)散らす】

[動サ五(四)]
いろいろな本を手当たりしだいに読む。あちらこちらの文章を少しずつ読む。「詩集から学術書まで―・す」
(「詠み散らす」とも書く)気分に任せて歌をどんどんよむ。
歌詠みとて、よろづのことにつけて―・さねど」〈紫式部日記

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「読散らす」の意味・読み・例文・類語

よみ‐ちら・す【読散・詠散】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「ちらす」は、むやみにする、また、粗雑にする意 )
  2. 興にまかせて歌をどんどんよむ。よみまくる。
    1. [初出の実例]「歌よみとて、よろづのことにつけてよみちらさねど」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文)
  3. 目的順序も立てず、むやみに書物を読む。系統もなくあれこれと少しずつ読む。乱読する。
    1. [初出の実例]「唯おもしろしとおもふ所のみ我儘に読み散らし行くなれど」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉二)

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