出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…人事調停法2条の〈道義ニ基ヅキ温情ヲ以テ事件ヲ解決スルコトヲ以テ其ノ本旨トス〉との規定には,戦後もなお引き続いて問題となる家族法と家族道徳の混合があり,反権利義務の姿勢がみられる。もっとも,施行後の実情では,調停委員会への婦人調停委員の参加,婦人の地位を十分に考慮する運用など,婦人の地位向上に役だった面もあった。なお,この当時司法省(現,法務省)は家庭裁判所研究のために裁判官をアメリカへ派遣する(1940)など家事審判制度制定の準備をしており,このことは現行憲法下での家庭裁判所制度の動向に少なからぬ影響を与えた。…
… 調停手続は,一方当事者の裁判所に対する申立てによって開始されるのが通常であるが,訴えの提起を受けた受訴裁判所の職権により開始されることもある(2,20条)。調停は,裁判官が単独で行うこともあるが,原則として,1名の裁判官と2名以上の調停委員(民間人)により構成される調停委員会が行う(4~7条)。調停は,紛争を法規により裁断するのではなく,当事者にとり納得のいく合意による円満な解決を図るのが目的であるから,一般民間人を関与させることはその目的にかなう。…
※「調停委員」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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