諸岡村(読み)もろおかむら

日本歴史地名大系 「諸岡村」の解説

諸岡村
もろおかむら

櫛比くしひ庄に成立していた村。現清水しみず門前たち鬼屋おにや西中尾にしなかお広岡ひろおか小滝こだき小石おいし上河内かみがわち小山こやま栃木とちのき一帯に比定される。諸岳村・諸嶽村とも記す。

地内に行基開創と伝える諸岡寺があったが、のち諸嶽山総持寺に継承される。永仁三年(一二九五)一一月三日の平某寄進状案(総持寺文書)に「モロヲカ」とみえ、当地にある恒友・今次の田六段が諸岡寺宝幢ほうどう院護摩堂供料田として寄進されている。至徳元年(一三八四)七月一六日、諸岡村のうち辻・上尾が総持寺に安堵されている(「長谷部正連安堵状案」同文書)。応永六年(一三九九)六月日の総持寺寺領目録(同文書)では、当村のうちの鳥越大坪とりごえおおつぼ広岡荒志あらし・清水・上河原に田一千五〇〇刈・畠三段・屋敷一所の総持寺領があった。


諸岡村
もろおかむら

[現在地名]博多区諸岡一―六丁目・南八幡町みなみはちまんまち一―二丁目・三筑さんちく一―二丁目、南区井尻いじり二丁目

那珂なか郡に所属。那珂川中流右岸の小丘陵地帯に位置する。北東板付いたづけ村、南は須玖すぐ(現春日市)。小早川時代の指出前之帳には板付村の内とある。慶長七年(一六〇二)の検地高二八三石余、うち大豆四五石余(慶長石高帳)。元禄五年(一六九二)には高三四三石余、家数二九・社二・寺一、人数一五〇(田圃志)。石高書上帳案の郡帳高も同じ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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