謀叛・謀反(読み)むほん

精選版 日本国語大辞典 「謀叛・謀反」の意味・読み・例文・類語

む‐ほん【謀叛・謀反】

〘名〙
① 国家・朝廷、また君主にそむいて兵をおこすこと。時の為政者に対して反逆すること。律の八虐の規定では、謀反(むへん)、謀大逆(ぼうたいぎゃく)に次いで、第三番目の重罪とされる。亡命、敵前逃亡、投降などを謀る罪。それを企てた者は絞刑に、実行すれば斬刑に処される。
※律(718)名例「三曰、謀叛。〈謂、謀背国従偽〉」
太平記(14C後)一「君の御謀叛、次第に隠れ無りければ」 〔史記‐高祖本紀〕
② ひそかに計画して事を起こすこと。
※説経節・説経しんとく丸(1648)中「たまたまこひとりもふけてに、そうりゃうとなしもせで、おとの二郎とよばする事のはらだちや、かなはぬまでもしんとくおのろい、おとの二郎おそうりゃうになすべしと、これがむほんとなり」
※雑俳・辻談義(1703)「しなかへて・下女が所へ行むほん」
※咄本・春袋(1777)高名「イヤ、おらが先祖貴様のとはちがひ、ざいはふられぬそうだが、坪ふりから発(おこっ)たむほんだよ」
[補注]「色葉字類抄」には「謀叛 ムホン 背朝也」とあるほかに「謀反 賊乱分 ムヘン」とあり、謀叛と謀反を区別するが、「伊呂波字類抄」には「謀叛 謀反同」とある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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