講(高)座(読み)こうざ

改訂新版 世界大百科事典 「講(高)座」の意味・わかりやすい解説

講(高)座 (こうざ)

仏事の法具名。次の3種がある。第1のものには講座,第2,第3のものには高座の文字を当てることが多いようである。(1)経や論の内容を講ずることを主眼とする法要講讃(こうさん)という)で,講師(こうじ)と読師(どくし)が登る座。正面左右に相対して置かれ,向かって左に講師,右に読師が着座する。なお,学僧の資格試験に相当する竪義(りゆうぎ)という仏事では,竪者(りつしや)と称する受験者が講師の講座に登るが,このときは読師の講座は空席となる。講座は,一般の職衆(しきしゆう)の席より高く作られ,上り下りのための階段を取り付け,半畳の畳を置くほか,上に屋根を設けたものも多い。(2)法要を主導する導師(どうし),これに準ずる調声(ちようしよう)/(ちようせい),式師(しきし)などの座で,道場の中央に据えられる。講讃の講座のように高くは作らないし,屋根も設けない。なお,礼盤(らいはん)が据えてあるときはそのまま使用できるので,別に高座を設けない。(3)信徒に対する説法を行う説経師の座で,その形はさまざまだが,つねに信徒席近くに据えられる。寄席の高座はこれから出たと考えられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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