仏教学における学問僧の資格試験竪義(りゆうぎ)の受験者のこと。学問僧としての実力を問われ,合格の場合は講師(こうじ)などの重要な役につく資格を与えられる。今日では住職の資格試験として竪義が行われる例が多い。竪者は定められた日数の事前研修(前加行(ぜんけぎよう))を積んで学習三昧の日を送り,当日に備える。竪義は,探題の選定した論題について,竪者と問題を発する問者(もんじや)の間で問答形式で進められ,竪者の解答のようすを精義者が審査するとともに,通常の論題にさらに難問を付加して論評を加えるという形式をとる。竪者が解答に難渋するところにも簡単なフシがつけられ,旋律として定められているなど,儀式化している内容が多い。出題に際して前加行中の竪者の夢の中に探題が現れて論題を告げるという形をとる宗派もある。
→竪義
執筆者:高橋 美都
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…戦国期一時中止になったが,江戸時代に復興し,現在は5年に1度大講堂で修せられる。故事にのっとって論義を行う者を竪者(りゆうしや∥りつしや)といい,その論義の判定をなす権威者を探題と称し,一山の長老があたる。法華八講・法華十講なども法華会と称するが,これは講座の数によって名づけられたものである。…
…戦国期一時中止になったが,江戸時代に復興し,現在は5年に1度大講堂で修せられる。故事にのっとって論義を行う者を竪者(りゆうしや∥りつしや)といい,その論義の判定をなす権威者を探題と称し,一山の長老があたる。法華八講・法華十講なども法華会と称するが,これは講座の数によって名づけられたものである。…
…また論題提出僧すなわち探題より出された問題について,自己の考えを教理をふまえて主張する僧を指す場合も多い。この場合は竪義者というが,単に略して竪者(りつしや),立者ともいう。南都の三会,東大寺法華会・方広会や,興福寺慈恩会,園城(おんじよう)寺十月会,延暦寺六月会などは竪義を設け,学業の成果を判定した。…
※「竪者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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