議会〔ヨーロッパ〕(その他表記)Parliament

山川 世界史小辞典 改訂新版 「議会〔ヨーロッパ〕」の解説

議会〔ヨーロッパ〕(ぎかい)
Parliament

ヨーロッパにおける議会起源は,封建制のもとでの主君家臣の協議による合意の形成にまでさかのぼる。身分制が整備されるとともに,身分制議会がつくられたが,その時期は12~14世紀頃で,国・地域によって異なる。フランスの三部会はその典型的なもの。初期の議会は国王側からの必要に応じて開催され,その主要な機能は,国王からの課税の要求への協賛にあり,その代償として地方の情報を請願の形で伝えて救済策を獲得することにあった。イギリスでは13世紀に成立した議会が14世紀以降,聖俗の貴族からなる貴族院と地域に住む名望家の代表からなる下院(庶民院)の二院制の構造をとり,以後制度的な断絶はなく,独自の議会政治を発展させた。フランスの場合は三部会と近代議会の間には,フランス革命による原理的な断絶が存する。19世紀以降には,選挙権の拡大を通して国民主権の実現が期され,また並行して政党も整備されて,議会は名実ともに主権機関の座を獲得し,近代国家を制度的に支える中心的な機関となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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