谷一斎(読み)たに・いっさい

朝日日本歴史人物事典 「谷一斎」の解説

谷一斎

没年元禄8.3.25(1695.5.7)
生年:寛永2(1625)
江戸前期の儒学者。名は松,字は宜貞,一斎は号。谷時中の子として土佐に生まれ,家学である朱子学を承け,藩に仕える。父の没後,小倉三省,野中兼山に学ぶ。兼山失脚に伴い,南学派が四散するなか,京都に出て諸生に教える。その後,江戸に移り,稲葉侯に仕える。門人に大高坂芝山らがいる。『小学』や『四書』を尊崇し,土佐南学派の朱子学を正統的に継承する者と称された。天文にも通じ,貞享の改暦(1684)をめぐって,渋川春海と論争したことでも知られる。著書としては『封事』がある。

(柴田篤)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「谷一斎」の解説

谷一斎 たに-いっさい

1625-1695 江戸時代前期の儒者
寛永2年生まれ。谷時中(じちゅう)の子。土佐高知藩右筆(ゆうひつ)。はじめ父に,その死後は父の門人の野中兼山(けんざん),小倉三省(おぐら-さんせい)に南学をまなぶ。兼山の失脚後,土佐をはなれ,江戸で稲葉家につかえた。元禄(げんろく)8年3月25日死去。71歳。名は松。字(あざな)は宜貞。通称は三介。著作に「封事」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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