江戸初頭の儒学者。土佐藩士。三省は号で、諱(いみな)は克(かつ)、字(あざな)は政実・政義、通称弥右衛門(やえもん)。真宗本願寺派の儒僧天質(てんしつ)(室)門人の谷時中(じちゅう)に学んで程朱学(ていしゅがく)を修め、門下では野中兼山(のなかけんざん)と並び称された。父小倉勝介(おぐらしょうすけ)(少助)は近江国(おうみのくに)長浜(ながはま)で山内一豊(かずとよ)に仕え、のち土佐入国後仕置役(しおきやく)として藩内の信を得た。藩の林産資源に注目し、樹木の輪伐制を創始した。父の隠居後仕置役として800石の家禄を継ぐ。親交を結んだ兼山はもっぱら政治活動において名をなしたが、三省はその施政を助けるとともに、人徳篤(あつ)く道徳教育において力を発揮した。罪人にも仁慈をもって接したとの逸話が伝わる。門人から谷一斎(いっさい)、長沢潜軒(せんけん)らが出た。1654年(承応3)父の死にあたり哀悼のあまり絶食し、同年51歳で死去した。
[樋口浩造]
『糸賀国次郎著『海南朱子学発達の研究』(1935・成美堂書店)』▽『大高坂芝山著『南学伝』(関儀一郎編『日本儒林叢書3』所収・1971・鳳出版)』
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(柴田篤)
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