豊田貢(読み)とよだみつぎ

改訂新版 世界大百科事典 「豊田貢」の意味・わかりやすい解説

豊田貢 (とよだみつぎ)
生没年:1774-1829(安永3-文政12)

1827年(文政10)京坂におけるキリシタン摘発事件の中心人物。越中国百姓の子に生まれ,京都で陰陽師の夫伊織とともに稲荷明神下げの祈禱を行っていた。夫の駈落ちの後,漢訳天主教書等を学び,天帝如来を信仰する水野軍記弟子となり,教法,秘儀の伝授を受けた。以後表向き明神下げを営みながら,独身維持と秘密厳守を条件に女弟子に秘法を伝授した。この信徒集団の存在は末端の女弟子の逮捕をきっかけに発覚した。29年,取調べに当たった大坂町奉行所の意見に基づきキリシタンとして処分されることになり,貢ら6名が引回しのうえ磔にされたほか,関係者65名が処罰された。
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関連語 梅沢

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「豊田貢」の解説

豊田貢 とよた-みつぎ

1774-1829 江戸時代後期のキリシタン。
安永3年生まれ。越中(富山県)の農民の娘。京都で陰陽師(おんょうじ)斎藤伊織と結婚,のち離婚してキリシタン水野軍記の弟子となる。軍記の死後,稲荷明神下げを看板に法をつたえていたが,文政10年大塩平八郎により捕らえられ,12年12月5日大坂引き回しのうえ磔(はりつけ)にされた。56歳。

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