貸付有価証券(読み)かしつけゆうかしょうけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貸付有価証券」の意味・わかりやすい解説

貸付有価証券
かしつけゆうかしょうけん

金融機関が取引先の依頼によって,貸付料を徴収してその保有する有価証券を貸し付け,これを担保などに利用させるもの。これは各種法令で税金などの延納担保,供託金,保証金について,金銭の代わりに国債,地方債,社債,株式を担保として差し入れることが認められているような場合に,取引先がこれら有価証券の手持ちがないため一時金融機関から借用し担保などに提供するときに利用される。これが利用されるケースは,(1) 酒税 (酒税法 31) ,物品税 (物品税法 33,34) ,関税 (関税法9条の5) ,揮発油税 (揮発油税法 13,18) ,石油ガス税 (石油ガス税法 20) ,砂糖消費税 (砂糖消費税法 14,24) などの納税延納などの担保,(2) 契約保証金 (会計法 29条の4,29条の9) ,教科書発行保証金 (教科書の発行に関する臨時措置法 12) ,百貨店が商品券を発行する場合の保証金 (商品券取締法1) などの保証金代用担保がある。そして有価証券の現物を貸し付ける場合と登録債質権または担保権設定の登録をする場合があり,前者には貸し付けた有価証券そのものを返還させる約定のものと,貸し付けた有価証券と同種同量のものを返還させる約定のものがある。

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