日本歴史地名大系 「賀庭寺跡」の解説 賀庭寺跡かていじあと 熊本県:荒尾市樺村賀庭寺跡[現在地名]荒尾市樺 堂辺田硯(すずり)川右岸の観音堂境内にある。天台宗、樺山観喜院と称した。「一統志」は玉名(たまな)郡内の名藍二二の一つにあげる。「国誌」によると、保元年中(一一五六―五九)平重盛が祈願のため建立し、往古は四四坊あったといい、その後退廃して坊跡も田畠となり、貞享三年(一六八六)再興願をして元禄一三年(一七〇〇)に造立、本尊は薬師仏と十二神将という。慶長九年(一六〇四)九月の椛村検地帳には大蔵坊・実相坊・辻房など坊(房)名をもつ者が一二人いる。天和三年(一六八三)の差出(古沢文書)には「古来ニ者防(坊)数四十六防(坊)御座候而椛村不残寺領ニ付居申たる之由申伝候」と記す。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報