日本大百科全書(ニッポニカ) 「資本の限界効率」の意味・わかりやすい解説
資本の限界効率
しほんのげんかいこうりつ
marginal efficiency of capital
投資を1単位増やしたとき、それから発生すると予想される予想収益率をいう。投資の限界効率ともよばれる。たとえば機械に投資したとき、その機械の耐用期間中、その稼動によって生み出される毎期の予想収益の系列をQ1, Q2,……, Qnとし、その機械を現在設置するに必要な費用、すなわちその供給価格をRとすれば、資本の限界効率mは、厳密には次の式により定義される。
資本の限界効率は、各期の予想収益の現在値の総和をその資本資産の供給価格に等しくするような割引率である。この資本の限界効率が現行利子率を上回る限り、その投資計画は有利となり実行に移される。
[大塚勇一郎]