最新 地学事典 「質量非依存同位体分別」の解説
しつりょうひいぞんどういたいぶんべつ
質量非依存同位体分別
mass-independent fractionation non-mass-dependent fractionation
MIFまたはNMDと略記。安定同位体の相対比(同位体比)は,基本的にその質量数の差異のみに依存した,質量依存の同位体分別(MDF)に則って自然界で変動する。ところが酸素や硫黄など3種以上の安定同位体をもつ元素の一部に,MDFでは説明出来ない同位体比が発見されたことから,MDFに則らない同位体分別,すなわち質量非依存同位体分別(MIF)が存在することが明らかとなった。特に,大気中でO2からO3が生成する際に顕著なMIFが見られるが,このような顕著なMIFを伴う反応は,自然界では種類が限られる。また同位体比間の相互関係に見られるMIFの痕跡は,MDFが起きても解消しない(図参照)。このため,MIFの有無や程度は,地球科学的指標として有用である。参考文献:角皆潤(2018) 地球化学,Vol. 52:107
執筆者:角皆 潤
参照項目:同位体存在度
参照項目:同位体比
参照項目:同位体分別作用

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

