京都市左京区修学院(しゅうがくいん)離宮の北にある延暦寺(えんりゃくじ)の別院、赤山禅院に祀(まつ)る。天台宗の護法三十番神の一つ。慈覚(じかく)大師円仁(えんにん)が入唐(にっとう)して登州の赤山法華(ほっけ)院に滞在中この山神に深く帰依(きえ)し、帰朝後これを叡山(えいざん)に祀ろうとして果たさず、その遺命を継いで弟子の天台座主(ざす)安恵が貞観(じょうがん)6年(864)西坂本に祀り、のちに現在地に遷座、赤山大明神と号す。泰山府君(たいざんふくん)と同神で、素戔嗚神(すさのおのみこと)、大己貴神(おおなむちのかみ)にも比せられ、延命富貴の神と信ぜられ古来方除(かたよ)けの信仰を集めている。
[薗田 稔]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…泰山府君は中国古代からの神であるが,仏教の閻魔大王と習合し,人間の寿命と福禄を支配し,その侍者司命神が冥府の戸籍を管理すると信ぜられた。天台宗の円仁が中国から勧請して比叡山麓にまつった赤山明神はこの神といわれ,また素戔嗚(すさのお)尊や大国主神など日本の神祇とも結びつけられ,本地垂迹説によって本地地蔵菩薩とされた。平安時代に宮廷公家の間で盛んにまつられたのみならず,鎌倉幕府でも武家がとくに頻繁に祭りを行い,陰陽家安倍氏が最も得意とした祭りであった。…
※「赤山明神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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