赤山禅院(読み)せきざんぜんいん

日本歴史地名大系 「赤山禅院」の解説

赤山禅院
せきざんぜんいん

[現在地名]左京区修学院開根坊町

修学院しゆがくいん離宮の北にあり、延暦寺の別院の一。天台宗赤山明神を祀り、赤山明神社・赤山大明神ともいう。創建は仁和四年(八八八)で、「慈覚大師伝」に「仁和四年建立大師本願禅院、是南大納言山荘也、在延暦寺西坂下、大衆合力以銭二百貫買得也」とあり、大納言南淵年名の山荘であった。「元亨釈書」円仁伝によると、円仁(慈覚大師)は入唐して中国登州の赤山法華院に一時身を置いた。帰朝して日本に赤山禅院を建てることを念願としたが実現せず、遺言で託された弟子の安慧が仁和四年に赤山明神(唐名は泰山府君)をこの地に勧請、比叡山東麓の近江日吉社とともに天台の鎮守社としたものである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の赤山禅院の言及

【小野】より

…上高野崇道神社境内の古墓から小野毛人(えみし)(遣唐使の妹子の子)の墓誌が出現したことなどから,この付近が古代の小野氏の本拠であったと考えられる。修学院にある赤山(せきざん)禅院は,慈覚大師円仁が泰山府君を勧請した社で,延暦寺別院である。もと南淵年名の小野山荘のあとで,一乗寺から比叡山の登山道〈雲母坂(きららざか)〉があり,この付近を西坂本と称し,軍記物語などにしばしばあらわれる。…

※「赤山禅院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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