赤野井村(読み)あかのいむら

日本歴史地名大系 「赤野井村」の解説

赤野井村
あかのいむら

[現在地名]守山市赤野井町

矢島やじま村の南にあり、西は琵琶湖に面する。東西の本願寺別院を中心とした寺内町的集落を構成。葦浦あしうら屯倉にかかわるとみられる犬飼いぬかい地名が残る。周辺の耕地には条里地割とともに一ノ坪・二ノ坪・九ノ坪の条里制数詞坪地名の遺称が残る。暦応三年(一三四〇)八月一二日の足利尊氏袖判下文案(臨川寺重書案文、以下断らない限り同じ)に「赤野井村」とみえ、幕府奉行人諏訪大進房円忠にその功績を賞して当村地頭職と鳥羽中とばなか(現野洲郡野洲町)の田在家などが与えられた。しかし恵藤太郎職成をはじめ惟空・勝恵・賢聖・三宅左衛門太郎・額賀(欲賀か)四郎などによる違乱を受け、翌四年一〇月二一日、押妨停止の命令を受けている(足利直義下知状案)。康永三年(一三四四)六月一七日、円忠は当村のうち勘解由田を性光ならびに直道大師月忌料として法観ほうかん(現京都市東山区)寄進(「諏訪円忠寄進状案」法観寺文書)、応永八年(一四〇一)六月八日勘解由田などの同寺領が安堵されている(「足利義満袖判御教書案」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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