越中国分寺跡(読み)えつちゆうこくぶんじあと

日本歴史地名大系 「越中国分寺跡」の解説

越中国分寺跡
えつちゆうこくぶんじあと

[現在地名]高岡市伏木一宮一丁目

二上ふたがみ丘陵北端の東側に広がる二段の段丘のうち、低位段丘の北部に位置する。現在は高野山真言宗国分寺(薬師堂と通称)があり、その境内および周辺が越中国分寺跡と考えられ、一帯は県指定史跡。周辺には字一過寺・大門、通称国分堂などがあり、薬師堂は弘仁期(八一〇―八二四)帝釈天と二躯の天部像等を安置する。昭和一一年(一九三六)、同四一年・同六一年・同六二年および平成元年(一九八九)に発掘調査が行われた。遺跡周辺は近代において瓦用粘土が盛んに採集されたため、遺構の残存状況はあまりよいとはいえない。しかし薬師堂の境内では、版築によって築かれた土壇状の高まりがあり、礎石の根石とみられるものがほぼ南北に三メートルの間隔で六ヵ所確認されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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