越前康継(読み)えちぜん やすつぐ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「越前康継」の解説

越前康継 えちぜん-やすつぐ

1554-1621 織豊-江戸時代前期の刀工
天文(てんぶん)23年生まれ。近江(おうみ)(滋賀県)の出身で越前(えちぜん)(福井県)にうつり,結城秀康(ゆうき-ひでやす)につかえる。慶長12年ごろ,徳川家康にまねかれ作刀。以後,隔年江戸にでて作刀し,家康より康の字をあたえられ,康継を名のる。また刀に葵(あおい)の紋をゆるされ,葵康継と称された。元和(げんな)7年9月9日死去。68歳。通称は下坂市之丞,市左衛門。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「越前康継」の意味・わかりやすい解説

越前康継
えちぜんやすつぐ

[生]? 越前,福井
[没]元和7(1621).江戸
江戸時代前期の刀工。本名下坂市之丞,初号は肥後大掾。江戸と福井で作刀。慶長 11 (1606) 年頃から徳川家の御用鍛冶となり,その功により家康の「康」の1字を授けられて康継と改名,刀の茎 (なかご) に葵紋を彫ることを許された。彼の作刀には「越前康継以南蛮鉄於武州江戸」と銘するものが多い。江戸時代末期までこの系統が続き,代々康継を名のったが名工初代のみ。

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