日本歴史地名大系 「越高遺跡」の解説
越高遺跡
こしたかいせき
[現在地名]上県町越高 ハヤコ
越高浦の南西岸にある遺跡。遺物包含層の下層は満潮時の汀線よりわずかに高い程度となっている。昭和五一年(一九七六)の発掘調査では縄文時代早期末に編年される土器とともに、日本列島では例のない越高式と称される隆起文土器が出土した。この土器は韓国の東三洞遺跡最下層の土器と同系で、形状により五類に分けられる。越高式I型は平底の深鉢形で、胴部に粘土紐を張りつけた隆起文がある。隆起帯の幅は一・五センチほどで、指頭で押捺した文様が並ぶ。同II型は平底の深鉢形で、胴部全面に細い粘土紐を斜線状に平行に貼付している。III型は口縁部に波線による格子目文を描いていることから、これを韓国の櫛文土器に先行する土器とされている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報