踏違(読み)ふみたがう

精選版 日本国語大辞典 「踏違」の意味・読み・例文・類語

ふみ‐たが・う ‥たがふ【踏違】

[1] 〘他ハ下二〙 (室町時代ごろからヤ行にも活用した)
① 足の踏み所をちがえる。足の踏み所が悪くて、足首の筋を痛める。また、足を交差させる。ふみちがえる。
※石山寺本大般涅槃経平安初期点(850頃)一二「不覚して脚跌(フミタカヘ)て坑に堕ちて死ぬ」
② 歩く所をまちがえる。行きまちがえる。ふみちがえる。
※榊原本赤染衛門集(11C中)「いかなりしあふせなりけんあまの川ふみたがへてもさわぎけるかな」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)石の巻「終に路ふみたがえて、石の巻といふ湊に出」
③ 約束をたがえる。
狂歌徳和歌後万載集(1785)九「あつ革な雪踏の裏のかね言もふみたがへてはひぞるばかりに」
[2] 〘他ハ四〙 (一)に同じ。
※類従本赤染衛門集(11C中)「いかなりしあふせなりけん天の川ふみたかひてもさわぎけるかな」

ふみ‐ちが・える ‥ちがへる【踏違】

〘他ア下一(ハ下一)〙 ふみちが・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した) =ふみたがう(踏違)(一)①②
曾我物語(南北朝頃)九「十郎、足をふみちがへ、側目にかけて、ちゃうどうつ。肩先より高紐のはずれへ、切先を打こまれ」
疑惑(1913)〈近松秋江〉「中学校を卒業しなかった為に一生目的を踏み違へた後悔を」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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