高紐(読み)たかひも

精選版 日本国語大辞典 「高紐」の意味・読み・例文・類語

たか‐ひも【高紐】

〘名〙
① 鎧(よろい)の後胴の先端と前胴の上部をつなぐ懸け渡しの紐。後胴の肩上(わたがみ)につけた紐には懸鞐(かけこはぜ)をつけ、前胴の胸板につけた紐には責鞐(せめこはぜ)をつけるのを普通とする。近世は、相引の緒ともいう。
吾妻鏡‐寿永三年(1184)正月一七日「即召御前彼甲、結付一封状於高紐
平家(13C前)一一「甲をば脱ぎたかひもに懸け、判官の前に畏る」
当世具足の引合(ひきあわせ)の緒。

たか‐ひぼ【高紐】

太平記(14C後)七「鎧一縮して走り出ければ、一族五人腹巻取て投懸々々、皆高紐(タカヒボ)しめて、共に御迎にぞ参じける」
狂言記・絹粥(1660)「源太かぶとをぬぎ、たかひぼにかけ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「高紐」の意味・読み・例文・類語

たか‐ひも【高×紐】

よろいの後胴に続く肩上わたがみの先端と前胴の胸板むないたをつなぐ、懸け外しのこはぜをつけた紐。近世は、相方が引き合うことから相引きの緒ともいう。
当世具足引き合わせの緒。

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