日本歴史地名大系 「蹶石野」の解説 蹶石野けいしの 大分県:直入郡蹶石野「豊後国風土記」にみえる原野で、柏原(かしわばる)郷のなかにあったとする。同書には景行天皇が「土蜘蛛の賊を伐たんと欲して、柏峡の大野に幸したまう。野の中に石あり。長さ六尺、広さ三尺、厚さ一尺五寸なり。天皇祈りたまいて曰く、朕、此の賊をまさに滅ぼさんとす。茲の石を蹶るに譬えば柏葉の如くして騰るべしと。即ちこれを蹶りたまうに、柏葉の如く騰る。因って蹶石野と曰」ったという地名起源説話が記されている。同じ内容の記事が「日本書紀」には「天皇、初め賊を討たむとして、柏峡大野に次(やど)りませり。其の野に石あり、長さ六尺、広さ三尺、厚さ一尺五寸なり。天皇祈て曰く、朕土蜘蛛を滅ぼすことを得むならば、まさにこの石を蹶りて柏葉のごとくして挙がれと。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by