軒役(読み)けんやく

精選版 日本国語大辞典 「軒役」の意味・読み・例文・類語

けん‐やく【軒役】

  1. 〘 名詞 〙 各家ごとに割り当てられる租税
    1. [初出の実例]「一里(さと)の石懸(こくがか)りに割付又は軒役(ケンヤク)に集めし小百性迷惑する事かさなり」(出典浮世草子新可笑記(1688)四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軒役」の意味・わかりやすい解説

軒役
のきやく

江戸時代、百姓家一軒を基準に賦課された夫役(ぶやく)。夫役の賦課には、棟別(むなべつ)、人別、持高(もちだか)を基準にするなど多様な方法があり、軒(のき)(屋敷)を基準とするのもその一つ。軒役は百姓本役とよばれ、これを負担する家を役屋(やくや)(役家)または「本役の家」と称した。役屋は農村の基本的構成員であった。米沢(よねざわ)藩では、1695年(元禄8)まで、百姓一軒(1657年〈明暦三〉以降は、物成(ものなり)32石で一軒と数えた)から現夫で徴発して領内の諸普請(ふしん)に使役し(軒役)、それ以降は米二俵を現米で徴收した(軒米)。

[馬場 章]

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世界大百科事典(旧版)内の軒役の言及

【家持】より

…家屋敷はまた,近世社会における役負担の体系の重要な基礎単位を構成する。軒役,面役などがこれである。したがって,敷地の高役が免除されている町屋敷においては,本来,軒役が唯一の役負担の基準となっているのである。…

※「軒役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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