軟X線(読み)ナンエックスセン

デジタル大辞泉 「軟X線」の意味・読み・例文・類語

なん‐エックスせん【軟X線】

薄い空気層でも吸収されるような透過力の弱いX線波長は比較的長い。金属材料の検査などに使用。軟らかいX線。→硬X線

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精選版 日本国語大辞典 「軟X線」の意味・読み・例文・類語

なん‐エックスせん【軟X線】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「エックス線」は[ドイツ語] X-Strahlen [英語] X-rays の訳語 ) エックス線のうちエネルギーの低い、波長の長い部分。エネルギーにして〇・一~二〇キロエレクトロンボルト、波長にして一〇〇~〇・六オングストローム程度。透過力が小さく、物質内で吸収される割合が大きいので人体には有害。

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化学辞典 第2版 「軟X線」の解説

軟X線
ナンエックスセン
soft X-rays

X線は種々の波長をもつ電磁波集合体となっている場合が多い.X線の波長領域は約100 Å 以下であるが,このうち比較的長波長領域(数 Å 以上)の透過力の弱いX線を軟X線という.しかし,とくに明確な区分はない.診断用のレントゲン線は,そのエネルギーが数十 keV 程度であり軟X線といえる.また,結晶構造解析などの分野では,原子間距離と同程度の波長をもつ領域のX線による回折を利用している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「軟X線」の解説

軟X線

 エネルギーが低く,物質に対する透過力の比較的小さいX線.その独特の性質を有用に利用する.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軟X線」の意味・わかりやすい解説

軟X線
なんエックスせん

「X線」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の軟X線の言及

【X線】より


[基本的性質]
 X線の最大の特徴は,物質を透過する力(透過能という)が大きく,物質に吸収されにくいことである。X線を物質に対する透過能によって区別することもあり,薄い空気層で吸収されるような透過能の小さいX線を軟X線,反対に透過能の大きいものを硬X線と呼ぶ。軟X線の範囲は波長でいえばおよそ10~102Åである。…

※「軟X線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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