転座(読み)テンザ

大辞林 第三版の解説

てんざ【転座】

( 名 ) スル
染色体異常の一。染色体の一部が切断され、同じ染色体の他の部分または他の染色体に付着・融合すること。同じ染色体の内部で起こった転座を、特に転位という。突然変異の原因となる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

てん‐ざ【転座】

〘名〙
① 芝居を上演する劇場(座)を移転すること。
※郵便報知新聞‐明治八年(1875)一一月六日「辰巳座の芝居は本所緑町一丁目へ転座を願ひしに」
② 染色体異常の一種。染色体の一部が正常の位置から別の位置や他の染色体へ移動する現象。また、二つの相同染色体間で互いに一部の座位を交換する場合もあり、これは相互転座という。

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世界大百科事典内の転座の言及

【染色体】より

…染色体の全長にわたって見られるループ状の突起の一つ一つは転写の単位をなすDNAであり,これに転写でつくられつつあるたくさんのRNA分子が付着しているのが電顕で見られている。
[構造異常]
 染色体の構造異常には重複,欠失,逆位,転座の4種がある。(1)重複duplication 染色体の一部の遺伝子配列とまったく同一の遺伝子配列が,同一または別の染色体に存在していること,またはそのような状態になること。…

【染色体地図】より

…したがってこの地図は連鎖地図linkage mapとも呼ばれる。
[細胞学的地図cytological map]
 ある染色体の一部分が切断されて他の染色体にくっつくと転座translocationという現象がおこる。転座した染色体の部分にある遺伝子は相互に連鎖を維持するが,それ以外の部分にある遺伝子との関係は転座によってまったく一変する。…

【突然変異】より


[染色体突然変異]
 これは元来,光学顕微鏡で観察できる染色体の構造変化,たとえば体細胞分裂中期の染色体の形態,減数分裂中期の染色体対合の状態,ショウジョウバエの唾腺(だせん)染色体のような巨大染色体の縞模様などによって解析されるものを指したが,現在では遺伝解析,電子顕微鏡観察,化学分析などによって検出できる微小なものも含めるようになっている。その中には,染色体の一部(末端部分の場合も中間部分の場合もある)が消失した欠失deletion,染色体の一部が同一染色体の別の場所または別の染色体に移った転座translocation,染色体の一部が本来の場所に隣接または別の場所に付け加わった重複duplication,染色体の一部の方向性が逆になった逆位inversionなどがある(図2)。いずれも染色体の切断‐再結合および不等組換え,非相同染色体組換えなどの異常組換えによって生じると考えられている(図3)。…

※「転座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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