軽部庄(読み)かるべのしよう

日本歴史地名大系 「軽部庄」の解説

軽部庄
かるべのしよう

円山まるやま川の支流大屋おおや川の流域にあった悲田院領・皇室領庄園。庄名は古代の養父郡軽部郷(和名抄)に由来。同郷は康治二年(一一四三)八月一九日付の太政官牒案(安楽寿院古文書)、平治元年(一一五九)閏五月七日の惟宗康弘奉書(陽明文庫蔵兵範記紙背文書)にみえ、平安末期にはまだ庄園とはなっていなかった。弘安八年(一二八五)但馬国太田文では「軽部庄 五拾六町九反百七十分」とみえ、「悲田院領」「領家方丈沙汰」「地頭石岡兵衛次郎入道」の注記があり、庄田の内訳は仏神田三町九反三〇〇歩、地頭給五町一反大三六歩、定田四八町一反二一四歩である。悲田院は古代・中世の貧窮者や孤児の救済施設であるが、弘安頃の悲田院については明らかでない点が多く、当庄が悲田院領となった時期や経緯も未詳。地頭は関東の御家人石岡氏の一族。次いで嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)では「後高倉院法花堂領 悲田院」の注記のもとに当庄が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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