(読み)ナガエ

デジタル大辞泉 「轅」の意味・読み・例文・類語

なが‐え【×轅】

《「長柄」の意》馬車牛車ぎっしゃなどの前方に長く突き出ている2本の棒。先端くびきをつけて牛や馬にひかせる。

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精選版 日本国語大辞典 「轅」の意味・読み・例文・類語

なが‐え【轅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「長柄」の意 )
  2. (てぐるま)・輿(こし)牛車(ぎっしゃ)・馬車などの乗物の箱の台の下に平行して添えた二本の長い棒。輦は駕輿丁(かよちょう)の肩にあて、輿は力者(ろくしゃ)の腰に添え、牛車は前方に長く挺出して軛(くびき)を通し、牛に引かせるためのもの。
    1. [初出の実例]「諸の比丘、輦の轅(ナカエ)を須ゐるべし」(出典:小川本願経四分律平安初期点(810頃))
  3. ながえごし(轅輿)」の略。
    1. [初出の実例]「又轅に乗りたりと聞く」(出典:随筆・甲子夜話(1821‐41)九四)

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普及版 字通 「轅」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] エン(ヱン)
[字訓] ながえ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は袁(えん)。袁に長遠の意がある。〔説文〕十四上に「(ちゆう)なり」、また次条のに「轅なり」とあって互訓

[訓義]
1. ながえ。
2. くるま。
3. 爰に通じ、爰田

[古辞書の訓]
名義抄〕轅 ナガエ・クルマノナガエ 〔字鏡集〕轅 ヒガム・クルマ・ナガエ・ヌケタリ

[語系]
轅・爰・(援)hiuanは同声。轅は車をくもので、援引の義に通ずる。

[熟語]
轅下轅騎轅駒轅条轅轍轅田轅馬轅門轅軛
[下接語]
瓊轅・軒轅車轅・折轅・双轅・攀轅来轅

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【車】より

…実際は殷時代から存在していたことが,安陽小屯(河南省安陽市郊外)から発掘された殷時代の車馬坑(馬車遺跡)から明らかである。殷から戦国時代にかけては,二つの車輪に1本の轅(ながえ),その両側に1対の馬をつなぐ馬車が一般であり,それは戦車としての機能を果たしていた。出土の車馬坑などからみると,当時の軍隊は戦車5両で一隊を形成し,1両につき戦車兵3人,歩兵5人がつき,5両で計40人からなる編成をもち,それが軍隊の中核でもあった。…

※「轅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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