農人形(読み)ノウニンギョウ

デジタル大辞泉 「農人形」の意味・読み・例文・類語

のう‐にんぎょう〔‐ニンギヤウ〕【農人形】

茨城県水戸市で作られる素焼き人形。江戸末期、水戸藩主の徳川斉昭とくがわなりあき農民五穀に感謝し、農民の像を作って食膳に置いたことに由来する。

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精選版 日本国語大辞典 「農人形」の意味・読み・例文・類語

のう‐にんぎょう‥ニンギャウ【農人形】

  1. 〘 名詞 〙 茨城県水戸市の郷土玩具幕末の水戸藩主徳川斉昭が農民と五穀に感謝する心から農民の像を作り、食膳に置いたという故事により明治末に作られた偕楽焼農人形が始まり。土製、木彫りの二種がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「農人形」の意味・わかりやすい解説

農人形
のうにんぎょう

茨城県水戸市の郷土玩具(がんぐ)。笠(かさ)を裏返しに持った農夫が、座っている像のかたわらに稲束を置いたもので、無彩色の木彫りと黒い土製のものとがある。幕末の水戸藩主徳川斉昭(なりあき)は、藩政改革の際、農本主義を唱え、農人形をつくらせて、食事の際には人形の笠の中に一飯を供えてから箸(はし)をとったという。農人形は、その遺徳をしのんで生まれたもので、明治末期からつくられた。

[斎藤良輔]

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