農業集団化〔ソ連〕

山川 世界史小辞典 改訂新版 「農業集団化〔ソ連〕」の解説

農業集団化〔ソ連〕(のうぎょうしゅうだんか)

1927年の国際関係の危機がパニックを引き起こし,農民穀物を売らなくなった。この穀物調達危機に対して28年スターリンは非常措置をもって対抗し,29年その延長で全面的農業集団化を農民に強制した。都市から熱狂的労働者を送り込み,抵抗する農民はクラーク(富農)として追放した。もとより農民も家畜屠殺などで激しく反発を示したので,これは階級闘争激化だと説明された。農村では熱狂と強制でコルホーズが組織されたが,30年春行き過ぎを戒めるスターリン論文が出ると,脱退者が続出した。秋からは再び加入に圧力が加えられ,32年には農民はほぼ完全にコルホーズに組織された。国家はコルホーズを通じて穀物供出を確保することができるようになった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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