近接場光(読み)キンセツバコウ

デジタル大辞泉の解説

きんせつば‐こう〔‐クワウ〕【近接場光】

光の波長よりも極めて小さい開口部などで、局所的にまとわりつくように存在する特殊な光。プリズムなどの全反射における反射面の背後ににじみ出る光(エバネッセント光)もその一。いずれも一般的な光と異なり、遠方に伝播しない。走査型近接場光顕微鏡、半導体などの微細加工技術、大容量記憶装置への応用が試みられている。

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大辞林 第三版の解説

きんせつばこう【近接場光】

光の波長よりも小さな物体に光を照射したとき、表面近傍に生じる薄い光の膜。光の回折限界を超えた微小領域の観察や操作を可能にし、ナノ-スケールにおける光技術を実現する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

近接場光
きんせつばこう

光が屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に進む場合、入射角が、ある臨界角を超えると境界面で光は全反射を起こし、屈折率の低い媒質には光が進まなくなる。しかしそのとき、屈折率の低い媒質に光の1波長分程度、ごく薄く光がにじみ出る。このにじみ出る光を近接場光とよぶ。近接場光は空間を伝播(でんぱ)しないので回折せず、そのため回折限界によって制限されていた顕微鏡の分解能において、回折限界を超えた光の波長以下の物質に関する情報を得る手段として用いられ、また微小な物質の加工方法として注目されている。具体的には、走査型近接場光顕微鏡、半導体製造装置の微細加工、高密度記録を可能にしたCDやDVDなど光記録媒体の開発が続いている。エバネッセント光(evanescent light)ともよばれる(evanescentは、儚(はかな)い、消えていく、つかのまの、などの意味)。[山本将史]

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