逆馬(読み)サカウマ

デジタル大辞泉 「逆馬」の意味・読み・例文・類語

さか‐うま【逆馬】

馬に後ろ向きに乗ること。
「敵に後ろを見えじとや思ひけん、玄光は―に乗ってぞはせたりける」〈平治・下〉
意に反して逆の成り行きになること。
「叩き出せぶち出せと、いふ程―横車」〈浄・仏御前
将棋で、王将相手の陣である三段目以内に入ること。入り王。入玉にゅうぎょく
「ろじのかぎかりて―さして居る」〈柳多留・九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「逆馬」の意味・読み・例文・類語

さか‐うま【逆馬】

〘名〙
① 馬の尻の方に向いて乗ること。うしろ向きに乗ること。
※金刀比羅本平治(1220頃か)下「玄光は逆馬(サカムマ)にのってぞはせたりける」
② 意に反して、物事が逆になること。手違いが生じること。また、反対の行動に出ること。
※浮世草子・好色敗毒散(1703)四「若い者の悪所に遊ぶ事珍らしからず。是を折檻する事一向なる故、結局逆馬になりて、外にて銀を才覚して」
③ 将棋で、王将が相手陣の三段目以内にはいること。入王(いりおう)入玉(にゅうぎょく)。さかおう。
咄本醒睡笑(1628)四「上手の碁が、〈略〉いまだ二番はてぬといふを聞きて、それは逆馬(サカウマ)になった物であらう」
④ 戸の桟(さん)にしかけ、敷居にさし込んでとめる木。くるる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android