六訂版 家庭医学大全科 「透析アミロイドーシス」の解説
透析アミロイドーシス
とうせきアミロイドーシス
Dialysis amyloidosis
(腎臓と尿路の病気)
どんな病気か
透析アミロイドーシスとは、長期透析患者の骨や軟骨、
長期間にわたる透析患者や透析開始時の年齢が高い患者、純度の低い透析液や体への適合性の低い透析膜を使っての透析を行った場合で、発症のリスクが高いといわれています。
症状の現れ方
透析アミロイドーシスの早い時期には、アミロイド線維は骨関節組織に沈着します。手首の
アミロイド線維は、経過とともに全身のさまざまな臓器に線維が沈着し、
検査と診断
血液中のβ2ミクログロブリン値の上昇だけでは、病気の診断はできません。骨関節病変の診断には、単純X線検査やCT検査を行います。手根幹症候群では、神経電動速度の評価は手術の適応を判断するのに有効です。
治療の方法
透析アミロイドーシスを根本的に治療する方法はまだ確立していません。発症や進展の予防には、高性能膜を使用した透析や血液濾過透析、透析液の浄化、β2ミクログロブリン吸着筒の使用、腎移植などがあります。すでに発症した手根幹症候群や破壊性脊椎骨関節症に対しては、適切な時期に整形外科手術を行うことが唯一の治療法です。
濱田 千江子
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報