通信の最適化(読み)つうしんのさいてきか

知恵蔵 「通信の最適化」の解説

通信の最適化

携帯電話事業者の通信サービスにおいて、通信量を抑えるため、画像や動画を圧縮するなどの方法で伝送効率を高めること。2011年以降、スマートフォンの普及による、通信ネットワーク負荷を軽減する目的で、ドコモ、auソフトバンクの3大キャリアが徐々に実施を始め(2018年6月現在では、ドコモとauの2社が実施)、18年現在では、これら3大キャリアから回線を借りて通信サービスを提供しているMVNOと呼ばれる通信事業者の一部においても実施されている。
通信の最適化が実施されている環境下で、画像や動画をダウンロードする場合、ダウンロードにかかる時間は短くなる。しかし、通信の最適化では、ダウンロードしたデータを元の状態に戻せない「非可逆圧縮」という方式を用いているため、ユーザーは劣化した画像や動画を取得することになる。また、一部のオンラインゲームでは、通信の最適化によって、利用に支障をきたすこともある。ドコモやauでは、通信の最適化をデフォルトにしているが、契約時にユーザーに説明し同意を得る前提である他、適用後でも、専用ダイヤルやウェブサイトから、非適用に変更することが可能となっている。
18年5月7日、大手MVNO「mineo」を運営するケイ・オプティコム社が、ユーザーへの事前説明をせずに、同年4月10日から通信の最適化を実施していたことに対する謝罪文を、同社コミュニティーサイト「マイネ王」に掲載した。18年6月時点でmineoのユーザーは、通信の最適化処理の適用、非適用についての選択はできず、通信の状況に応じて、運営側の判断で最適化が行われているが、18年9月末までには、最適化の適用、非適用を、ユーザーが選択できるように現在準備を進めている。

(横田一輝 ICTディレクター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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