選択(読み)センタク

デジタル大辞泉 「選択」の意味・読み・例文・類語

せん‐たく【選択/×撰択】

[名](スル)
多くのものの中から、よいもの、目的にかなうものなどを選ぶこと。「―を誤る」「テーマを―する」「取捨―」
選択科目」の略。
selectionリレーショナルデータベースにおいて、表の中からある特定の条件に合うを取り出す操作。
[類語](1セレクト選定取捨選ぶふる選考選別ピックアップより分けるすぐる選び出す選び取る選り出す選出する取捨選択二者択一選り取り見取り抽出

せん‐ちゃく【選択】

仏語。一定の立場のもとに不要なものを捨て、必要なもの、正しいものを選び取ること。
[補説]浄土宗では「せんちゃく」、真宗では「せんじゃく」と読む。

せん‐じゃく〔‐ヂヤク〕【選択】

せんちゃく(選択)

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精選版 日本国語大辞典 「選択」の意味・読み・例文・類語

せん‐たく【選択・撰択】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) えらび出すこと。二つ以上のものから目的にかなうと判断したものを取ること。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「近頃生徒百余人を選択(センタク)して西洋に游学をなさしめしと云」(出典:新聞雑誌‐七号・明治四年(1871)七月)
    2. [その他の文献]〔孟子‐滕文公・上〕
  3. せんたくかもく(選択科目)」の略。

せん‐じゃく‥ヂャク【選択】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じゃく」は「択」の呉音 ) 仏語。悪を取りさり、善をより分け選び出すこと。主として浄土真宗でいう。浄土宗では「せんちゃく」。〔選択本願念仏集(1198頃)〕

せん‐ちゃく【選択】

  1. 〘 名詞 〙せんじゃく(選択)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「選択」の意味・わかりやすい解説

選択
せんたく

生物集団中において、遺伝子型の違いにより次世代を構成するそれぞれの子孫の比率に差があるとき、そのような差を引き起こす作用または操作を選択という。淘汰(とうた)、選抜ともいう。人間により選択が行われる人為選択と、自然界における自然選択とが区別される。後者は生物進化をもたらす重要な要因の一つとされている。なお、有性生殖を行う生物では、生殖にかかわる過程で一方の性に特有の選択が働くことがあり、これをとくに性選択という。クジャクの雄の尾羽は、生存のためにはむしろ不利と考えられるが、それが雌との交尾機会を増すために有利であり、性選択が働き進化したと説明される。性選択は雌雄の形質の違いを生じさせることになるが、一般に、子孫を自ら産出できない雄性のほうに強い選択が働くといえる。選択が個体ではなく、小集団を単位として働くとき群選択というが、そのような選択が生じるかどうかについては疑うむきが多い。ある個体にとっては不利な形質であるが、それの血縁者には有利であり、結果としてその形質を支配する遺伝子がその血縁者を通してかえって多く残るようなこともありうる。このような場合の選択の生じ方をとくに血縁選択という。社会性昆虫における不妊ワーカーの存在など、利他的形質の進化を説明するものとして注目されている。

 選択の生じ方により、平均から極端に外れた変異個体を除去する安定化選択、集団全体の性質を特定の方向に変化させるように働く方向性選択などが区別される。環境が安定な場合には前者が、環境が変化した場合には、その新しい環境に適応するように後者が働くと一般に考えられている。環境条件が多様であるなどで、複数の適応の仕方がありうるとき、中間的なものが排除され、多型的な集団をつくりだすような分断選択が働くともいわれる。

[上田哲行]

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普及版 字通 「選択」の読み・字形・画数・意味

【選択】せんたく

えらび用いる。〔墨子、尚同上〕夫(そ)れ天下の亂るる以のらかにするに、長無きに生ず。是の故に天下の賢なる擇して、可なるをば立てて天子と爲す。

字通「選」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「選択」の意味・わかりやすい解説

選択
せんたく
choice

一般には,最も適当なものを選び出すことをいう。選択の問題は,その人間の可能性をも含めて,自由意志との連関でとらえられるが,その場合には自由選択と,ある必然的法則性との対立関係が問題とされる。すでにアリストテレスの『ニコマコス倫理学』でも扱われているが,ここでは,行為の目標が前提とされている場合に行為者に許された手段の選択が問題となっている。近代では特にキリスト教的な摂理の神と人間の自由意志との関係において倫理的な自由選択の可能性が問われ,それに対して,たとえばカントは実践理性に基づく定言的命法に自由意志を認めた。またキルケゴールは実存主義的な立場から選択を実存の一つのカテゴリーと考え,ベルグソンも実存のありようを自由選択に求めたが,彼は限界状況にある実存としての個人が,その全人格,全生命を賭けて行う選択を創造的選択と呼んだ。なお,現代の実存主義においても選択は実存の規定契機として中心的な問題である。

選択
せんたく

淘汰」のページをご覧ください。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「選択」の解説

選択

データベースリレーショナルデータベースの表から、目的の行(レコード)を取り出すこと。リレーショナルデータベース抽出射影プログラミング言語構造化プログラミングの論理構造のひとつ。指定された条件によって、処理を分岐させること。構造化プログラミング

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改訂新版 世界大百科事典 「選択」の意味・わかりやすい解説

選択 (せんたく)

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百科事典マイペディア 「選択」の意味・わかりやすい解説

選択【せんたく】

淘汰

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世界大百科事典(旧版)内の選択の言及

【暦】より

…ところが後代になると,暦に日の吉凶を書きこむことが行われるようになり,一般の人もそれを見ることによって吉凶を判断することができた。占星術の用語を使うと,こうした吉凶判断は〈選択〉と呼ばれ,とくに中国で盛んに行われたのである。暦はこれによって月日を知ったが,暦注によって日の吉凶を知ることが暦の今一つの重要な役割であった。…

【淘汰】より

…生物学用語。選択,選抜ともいわれる。ある生物種の地域集団内には表現型において異なる個体がさまざまにあるのが普通であるが,そのような表現型の違いが,個体間に適応度,すなわち生存率および(または)繁殖率の差を生じさせることがある。…

※「選択」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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